においをかいでふと思い出した記憶ー日記男#3

お題「においをかいでふと思い出した記憶(めっちゃ短いエピソードでもぜひ聞かせてほしいです)」

 

#3

OXYの洗顔剤で顔を洗うとスースーして気持ちがいい。そしてそのにおいをかぐと、母親の再婚相手の家の風呂を思い出す。僕は母親の再婚相手のことをおっちゃん、と呼んでいる。小学四年生の時に初めておっちゃんに会って、一年後くらいにおっちゃんとお母さんが住む家に泊まった。そこにおいてあった洗顔剤がOXYだった。それで顔を洗うと顔がスースーするのが気持ちよくて好きだった。おっちゃんちの浴室も好きだった、おっちゃんちは一軒家で回りは田んぼばかりだった。浴室の窓から入ってくる空気は涼しいが、寒いこともなく居心地が良くて、あの風呂に入るのが好きになっていた。両親が離婚してから、僕はお父さんの実家に住むことになった。古い家だったのでとにかく寒かった。風呂は特別冷えていて、僕は実家の風呂に入るのが嫌いだった。

大学の入学を機に、部活仲間と銭湯によく行くようになって、シャンプーとボディソープを買うついでにOXYの洗顔剤も一緒に買った。久しぶりにその匂いを嗅いだらおっちゃんの家の風呂を思い出して懐かしくなった。